
繊細なデザインを施した世界にひとつだけのギフトで、受け取る人を笑顔に
ガラスなどに砂を吹き付けるサンドブラストで記念品をオーダーメード
「微細な砂をガラスなどの表面に吹き付けて加工するサンドブラストの技法で、世界にひとつだけの品をオーダーメードします」と話すのは、「ガラス工房MIKI」代表の中尾美希さん。
三重県津市と松阪市に工房を構え、企業の創業・周年式典、結婚や出産、引っ越し祝いなどに贈るギフトを制作・販売しています。
「ラインアップは豊富で、フォトフレームが人気です。他にはゴルフのプレーで使うマーカーや、ワインなどお酒のボトル、グラス、ブライダルではウエルカムボード、学校の卒業記念ではペーパーウェイトなどもご用命いただきます」
リボンやレース、草花、幾何学模様といったデザインやメッセージを各種アイテムにあしらい、自社サイトを通じて全国から受注。ペットのフードボールやネーム入りの迷子札も扱い、愛犬、愛猫家からも依頼が舞い込みます。
「体験教室も開催しており、日常使いできるタンブラーやグラスを用意しています。作業に際しては、表面にテープを貼り、図案に沿ってカッターで切り抜いた部分に砂を当てて削ります。絵柄をはがすだけのシールもあるので、5歳くらいのお子さんも楽しめます」
例えば焼き物は乾燥して焼き上がるまでに時間がかかりますが、サンドブラストの場合は2時間程度で完成し、その場で持ち帰れるので好評だとか。
「特に夏休みから秋にかけては繁忙期で、修学旅行生や会社の慰安旅行の団体がバスで訪れ、1度に40人ほどお迎えすることもあります。どこに行ったか分かるように『三重』の文字を入れる方が多く、旅の思い出として親しまれています」
サンドブラストの美しさに魅せられ、旅行の添乗員からガラス工芸の道へ
中尾さんは高校卒業後、松阪市の旅行会社に就職。添乗員として働いていたときにサンドブラストと出会います。
「父が仕事で工業機械の見本市へ行き、サンドブラストの体験をして持ち帰った鏡を見て、その美しさに心をひかれました。県内に研磨剤を噴射するブラスターのメーカーがあると聞いて、会社勤めをしながら1年くらい通い、機械の仕組みや製作工程を見せてもらいました。当時は近隣に教室がなく、メーカーの方に『やってみますか』と声を掛けられ、起業することにしました」
当初は教室のみでしたが、参加者から結婚式の引き出物を作ってほしいと頼まれ、ショップ業も始めました。
「当時は名前入りのボトルなどを引き出物にするのは珍しく、需要が増えました。お客さまの声を反映していくうちに現在の商品数になりました」
多種多様な素材に細やかな彫刻を施す中尾さんですが、サンドブラストの技術は試行錯誤の末に独学で身に付けたと言います。
「料理屋さんに勤めている友人に、空き瓶を譲り受けるなどして練習しました。21歳と若く、怖いもの知らずだったところもあります。大変なこともあったけれど『やるしかない』という感じでした」
コツコツとスキルを磨いてきた中尾さん。添乗員だった経験も現職で大いに生きているそうです。
「県外から体験に来た方に、三重の見どころなどを聞かれることがあります。希望を伺いながら観光コースを提案すると、とても喜んでくださり、お役に立てることを光栄に思います」
創作活動や地域貢献を通じて、サンドブラストが放つ魅力を広く発信
1996年に工房を立ち上げて以来、個人や企業、団体と数々のクライアントの要望に応えてきた中尾さん。
サンドブラストアート作家としても活動し、花やチョウをモチーフにした緻密な模様を食器やランプに細工しています。県や市の展覧会では幾度も入選を果たし、県内で個展を開いたり、東京や横浜でグループ展に出品したりしています。
「制作していていつも思うのは、作品や記念品は形としてずっと残るものだということ。例えば私が亡くなったとしても、将来にわたって多くの方の目に触れ、手元に在り続けることがうれしく、やりがいにもなっています」
意欲的に創作に取り組む中で、自身が生まれ育ち、長く事業を営んできた地元に貢献したいという気持ちを強くします。
「2013年には、津市一身田町で催される『一身田七夕まつり』で、小学校の子どもさんが書いた願いごとをキャンドルカバーのグラスに彫るボランティアをしました。生徒数は約800人と多かったのですが、少しは恩返しができたかなと思います」
ものづくりへの情熱と、地域への愛着を抱く中尾さん。オリジナル品を届け、また体験教室を通して、繊細で華やかな世界観を描き出すサンドブラストの魅力を、広く伝えていきたいと語ります。
「日本語に英語、書体、デザインとお好みのテイストを選んでもらえますので、ご自宅用や大切な方へのプレゼントとしてご活用ください。受け取る皆さまが笑顔になれるように、一つ一つ心を込めて仕上げます」